数年前、私がバイトしていた時のマネージャーが、
突然30代前半の若さで他界しました。
ヘビースモーカーで、大酒飲みで、
某有名ブラック企業で、休憩も休日も一切なく、
食事もしっかり食べれていなかったと思うので、
いつかは体が壊れるかもと、
心配はしていました。
マネージャーが亡くなってから、
ふと、その数日前に奇妙なことを言われたことを思い出した。
私が出勤して、
「おはようございまーーーす。」
と職場に出たとき、
マネージャーが私の顔を見て、
私の正面に来て立って、
ニコニコ・キラキラした目で私のこと見て、
「〇〇(←私の名前)、ごこうが差してる・・・。」
私が
「ごこう?って何ですか?」
って言ったら、
『後光だよ。ごこう。神様の後ろに、金色に光るやつ!』
って笑われて、
「ん?どゆこと?」
何か奇妙なこと言うなぁ。。。と思ったけど、
この職場、某有名なブラック企業でして、
私はここでアルバイト生活をしていて、
組織図としては、
・マネージャー(正社員)2人か3人。
(全員、1ヶ月以上休みなし。1日12時間以上勤務)
↓
・私 フリーター(キャプテン兼リーダー兼コーチ)
↓
・他、約40人、全員学生アルバイト
ということで、
とんでもない、マネージャー(+私)の責任・負担が大きな職場でした。
そのため、私が出勤してきた時の、安心感が
まるで神様のようで、
「後光が差してる。」
と言ったんだと思います。
その数日後、
マネージャーが水道で手を冷やしていて、
「どうしたんですか?」
って聞いたら、
「なんかさー、何にもしてないのに、いきなり小指の血管がブチッて切れた。」
「ここ触ってみて。」
って、手を触って、指が腫れていて、
またその数日後、
腹痛で、バックヤードでうずくまっていて、
真っ青な顔で、冷や汗かいていた。
そのまた数日後、
マネージャーと朝2人になった時に、
私が、
「こないだ、六本木の〇〇君と会ったんですけど、
マネージャーによろしくねって言ってましたよーー。」
って伝えたら、
『あのさ、◯◯(←私の名前)、まだ誰にも言ってないんだけど、
俺、来月転勤するんだ。ナイショね。まだホント誰にも言ってないから。』
って、言われ、
えーまじですか。悲しい、、、。って会話をする。
マネージャーの腹痛もしばらく続いて、
かなり辛そうだったけど、
上に書いたように、
人数の割に、正社員(責任者)がとんでもなく少ない職場だったから、
どんなに体調悪くても、マネージャー達は休むことができず。
そのマネージャーは数日後に転勤するのも決まっていたため、
腹痛のことは、「引っ越ししてすぐ、向こうの病院に行く。」
と言っていました。
マネージャーは引っ越し後、
病院に行ったら、即入院だったらしく、
心配はしていたのですが、
その数日後、容態が良くなくて、深刻らしい。という噂が回ってきて、
その数日後、他のマネージャーから、亡くなったことをDMで知らされました。
悲しいのはもちろんですが、
まだ30代前半の、あんなに若い人が。
あんなに元気な人が。
早くに病院に行けていたら、助かったであろう命が。
休憩時間も休日も一切なく、朝から晩まで働き詰め。
完全に過労死だ。
このブラック企業のせいだ。という怒りの気持ちも
今でも自分の中に残っています。
自分はよそで働いていた人間で、
しかも、優良企業だったから、
その会社の時は、5分のサービス残業も許されなくて、
(5分サービス残業になるなら、スタッフ数人だけ残して、
そのスタッフが30分ピッタリの延長で残業手当がつくように。)
それに、お客様に対してサービスの優劣がつかないよう、
ほぼ全員が正社員というのが、以前の会社の方針だったけど、
こんな自分みたいなよそから来た人間にすれば、
完全にアウトだと分かるブラック企業でも、
新卒で入ったこのマネージャーなんかは、
この会社しか知らないから、
「これが社会に出たら普通なんだ。」
という基準になってしまったんだろうな。
何でか知らないけど、
最近、寝る前にふと、
そのマネージャーが言った言葉、
『○○、後光が差してる。』
と言った時の光景が、
脳内でリピート再生されている。
マネージャーが私に言ってくれたように、
後光が差しているような、そんな人間になりたいな。
もしかして、ほんとに自分には後光が差していたのかなぁ。
それなら、嬉しいなぁ。
そんなことを考えていて、ふと気づいたけど、
たぶん、今日あたりが命日だったんじゃないかな。
天国のマネージャーへ。
ゆっくり休んで下さいね。
私は相変わらず頑張ってますよ。